しょうの自由帳

自由に生きる人のライフログにしようと試みるも書けないことが多すぎて企画倒れ

トレーディングに対する考え方の変遷: 「中長期投資」から「対人ゲームとしてのスイングトレード」へ【スイングトレードとの出会いその1】

年の瀬ということもあるし、最近の自分のテーマでもあったので、ここで一度スインガーとしての自分をまとめてみたい。

 

【目次】

 

2014年6~8月:中長期スタイルで株を始める

2014年6月、つまり半年前に僕は株を始めた。当初は「良い銘柄を中長期でもってれば大丈夫だろ!!!」みたいに思っていた。なぜならホシザキとかハイレックスとか見ていると上場して以来ずっと上がり続けているし、年率30%くらい株価が騰がっているから。また、当時は株以外の仕事もたくさんやっていてかなり忙しい日々だったし、そもそも株は副収入としてしか考えていなかったのも理由。後にどっぷりハマり込んでモニター5枚並べてザラ場に張り付くなんて想像もしていなかったのだ。そんな僕は大学の中央図書館にあった数少ない株の本(『オニールの成長株発掘法』と『ゾーン』。大学に株の実用書は殆ど無い)を借りてきて、それを参考にしながら、実体験上「この会社はイケる!」と思った株に投資をし始めた。

満を持してホールドしていたのはホシザキ、カシオ、ヤマハ発動機、ハイレックスなど。ホシザキは実家が飲食店だったのでその圧倒的シェアは知っていたし、カシオも実家のレストランの近くに本社があったので親しみやすかった。ヤマハ発動機東南アジアを旅行しまくっていた時に圧倒的人気を目の当たりにしたから。ハイレックスはたまたま顔を出した株サークルで取り上げられて、「いいな」と思ったから。これらを自信たっぷりにホールドしていたのだが、ホールドし始めて1,2ヶ月後、ホシザキとカシオが地合いに関係なくなぜか勢いを失って下落し始め、「あれれ?」とセッカチな自分には我慢できなくなってしまった。とはいえデイトレはなんか苦手だし、何よりも仕事や大学の研究があるからザラ場に張り付けないし...。

 

2014年9月:順張りテクニカルスイングトレード

株を初めて3ヶ月目の9月。中長期でもなく、デイトレでもないトレード手法(スパン)ということでスイングトレードに出会った。当時より色々なチャートを見ていて、「騰がる株は騰がり続ける」、「下がる株は下がり続ける」という考えが自分の中にあったし、「業績はチャートに織り込まれる」とも思っていたので順張りテクニカルオンリーのスイングトレードを開始した。手法は至ってシンプル。月足、週足、日足どれをみても騰がり続けている株を日足ベースで勢いづき始めた時に買うのだ。たとえばカルビーのこんなチャートが「大好物」だった。日足、週足、月足が「相似」していて実に美しい。

 

カルビー(12/19時点日足) 

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カルビー(12/19時点週足) 

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カルビー(12/19時点月足) 

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なお、こういう銘柄を網羅的に見つけるのは実に骨の折れる作業(後にこれが「勘」を育んでくれるのだが)。まず、日足ベースで上昇中の銘柄をトレーダーズウェブの自動スクリーニング(銘柄スクリーニング:投資ツール - トレーダーズ・ウェブ(株式情報、FX情報))で毎週末選定した。ここで表示された500~1000のチャートを見て、日足だけでなく週足、月足も良いものを抽出。これをリスト化して25日線を割れるまでの間毎日監視し続ける。25日線を割った銘柄を削除、当日1%以上値上がりした銘柄から新規銘柄を迎え入れという形でリストは毎日更新し、かつ週末には上記のように全面的に丁寧に見なおしてリストを再構築するという作業。

最初は選定条件があやふやだったり甘かったりしてうまく成果がでなかったのだけれども、「これは天井の兆候だ」みたいなのを日々反省することでパフォーマンスは騰がっていった。

 

2014年10月:「地合い」の衝撃

スイングトレードという新しい技を身につけた僕は調子に乗っていた。「これで勝てる!いけるぞ!」と。しかしそんなことはなかった。10月エボラが原因なのかは知らないが日経平均が16000円を超えてしばらくして大きな調整が入り、14500円まで急降下。もちろん、僕の持ち株も今までの勢い全無視で落ちていった。そして、10月16日に底を迎え、その後は一斉リバウンド。このとき、「あ、地合いの前ではテクニカルなんて関係ないんだな」と心底思った。地合いが悪くなればそれまでの勢いはすぐになくなってしまうし、地合いが良くなればサゲサゲだった銘柄も勢い良く跳ねてゆく。「順張りは変わらないが、今度から地合いが良いときはロング、悪い時はショートにしよう!」と心に誓ったものだった。

 

2014年11月:需給を読むスイングトレード

しかし、10月末から11月にかけて更に衝撃的な展開が。事の発端は10月31日の追加金融緩和だ。追加金融緩和発表後、地合いとかチャートとか全無視で金融、不動産が軒並みバク上げするし、11月に入ってからはまずは大型→中小型と綺麗な資金循環も目の当たりにした。そこで思ったのは「結局は需給か」ということ。まずは金融不動産がこれまでのショートの積み上がりと昨年の金融緩和時の値動きもあって圧倒的に値上がりし、その後は日銀による買いが入るということで大型の株が上がり、大型の株に過熱感がでてきたら残った中小型株に資金が流れだす。今まで参考にしていたテクニカルや地合いも需要を強めるための要素に過ぎなかったのだと実感した(テクニカルで安心できるところに買いが集まり、買いが集まるからテクニカルも信頼される。地合いも同様)。

 

2014年12月:対人ゲームとしてのスイングトレード

 12月に入ると、需給に対する考えは更に一歩進化し、「対人ゲームとしてのスイングトレード」を意識するようになった。結局需給を生むのは人であり、人の売買によって株価は動くのだという考え。背景として、以前から「需給」という曖昧ワードに違和感を感じていたことがある。そして「需給」から「対人ゲーム」への意識転換を決定づけたのが11月末~12月初めにかけての過熱相場。過熱感極まる中、「いつが天井か」というのを強く意識するようになった。では、「天井を読むにはどうすればいいのだろう」と考えあぐねる中でマーケットに参加するプレイヤーへの意識が高まったのだ。「GSが先物売りまくってる」とか「週刊現代日経平均年内2万円の特集組んだぞ」とか「なんでクソ株まで騰がりはじめてるんだ、これが何を意味する?」とか「みんな選挙まではブルといっているけれど...」とか、「この値動きは大口が利確でも始めてるのかな」とか。また同時期に、仕手株を見なおしたり、デイトレで対峙するアルゴの観察をしていたことも大きい(仕手筋もアルゴも大きな影響力をもつ投資主体だ)。

今はうまく言葉に説明できる段階ではないけれど、現状はこのようにかなり「板の向こう側の人間」を意識したスイングトレードをしている。チャートの形、値動きの勢い、出回っている情報、盛り上がっているセクターなどを見ながら最終的には「この銘柄がみんなに買われそうか、人気が出そうか」とか「この銘柄では誰がどう動いているのか」ということに繋げるようにしている。もちろん、銘柄選定だけでなくエントリー、イグジットポイントについてもそう。いかに「安値で仕入れて高値でお買い上げいただくか」を考えている。今のところは残念ながらまだまだ「食われる側」で、「こうすりゃよかった」の連続で全然成果でてないんだけどねー。

 

しょう