しょうの自由帳

自由に生きる人のライフログにしようと試みるも書けないことが多すぎて企画倒れ

零細飲食店がそれでも変えられたところ-お金のかからない範囲で最大限の変化を起こす

前回記事では、零細飲食店がいかに変われないか、それが何故かということを書いた。けれども、変えられた部分もある。どれもマイナーチェンジかつ短期的な効果は望めないものだけれど、紹介したい。なお、効果測定はできていない。飲食店は景気の波、季節の波など外部環境の変化が大きすぎて短期的に「これは効果があった、これは効果がなかった」ということは残念ながら結論づけられない。2,3年後その効果が顕著になったらまた報告したい。 

 

客数向上策

売上に効くドライバーは客数と客単価。まずは客数をあげようと色々試みた。うちは人通りの少ない地域密着型の店だったから、新規客獲得ではなくリピート率を上げることが肝要だ。ただし前回述べたとおり、お金がないので業態や内装、コンセプトの変更はできない。変えられるのはソフト面に限られる。

最も重点を入れたのは接客サービス向上。従業員に判断権を持ってもらい、出来る限りのサービスをしてもらうように心がけている。わかりやすいものでいえば、常連さんへの一品サービス、バースデーパーティ、アットホームな対応(小さい子をあやしてあげる)など。マイナーな変化だけど、少しは効果があったかもしれない。しかし外部環境の変化が大きすぎて、効果測定はできていない。

次にコミュニケーションツールとして、LINE@を導入。新メニューのお知らせやクーポン等を発信しており、問い合わせ先にもなっている。とはいえそもそもお店へのロイヤリティが高くないと、送ったメッセージへの反応が悪い。中長期的には良いツールになると思うけれど、短期的な効用は認められない(費用が0なので維持はしている)。

なお、新規客流入策としては食べログコンテンツの拡充を行った。無料でできる範囲で最大限充実させたところ、検索順位が上がった。また店の評価が3.07➡︎3.41となった。検索順位が上がり、有力レビュワーが来店し、評価が上がったのかもしれない。

 

単価アップ

うちの店の主要顧客は若者。地域には高齢者も多いけれど彼らは外食をしない。ファミリーが多い郊外というわけでもない。店の雰囲気的にも若者が入る店だ。最近の若者は本当にお金がない。給与は下がったのに一昔前より生活コストが高い(代表的なのは携帯代、趣味に使うお金)人が多いから、食費は必然的に削られる。コンビニやファストフードで済ましてしまう人が多いから客が増えないし、来てくれた客もあまり沢山頼まない(お酒なんてもってのほか!)。

こうした厳しい外部環境化において、無闇な値上げはできない。自然と単価の高いものに注文数が増える、注文の品数が増えるようにしなければならない。まず取り組んだのはメニュー改訂

 

客の注文プロセス:
①メニューブックを手に取る→②商品を選ぶ→③価格検討→④オーダー

 

の各要素を増やせるように改良を加えた。

「つい手にとってしまうメニューブック」を目指し、写真やコラムを載せた。ブックのサイズも大きくし、「ちょっとじゃまになって手にとってしまう」ことも意識した。
②商品を選ぶ段階で、「売りたい商品」を選んでもらえるよう工夫した。つまり、原価率が低く、かつ人気があるものを目立たせる構成に変更。また、メニュー構成をわかりやすくし、迷いなく商品選び、オーダーできるようにした。特に複雑怪奇だったドリンクメニューに関しては早速一定の効果がでており、お酒の注文料が増えた。また、「売りたい商品」であるオリジナルカクテルのオーダー率も増えた。
③プライシングを変更して80円商法を導入し、割安感を演出。

その他メニュー改訂以外にも、サービスのコーヒーを出すついでに、「デザートはいかがですか」と一声入れてみるなどの細かな工夫を凝らし、追加オーダーを増やしている。

 

まとめ

このようにマイナーな変化だけれど、お金をかけずとも変えられるところはある。効果はでないかもしれない、外部環境の影響の方が圧倒的に大きいかもしれない。しかしやってみない手はないだろう(撤退して次のチャンスがあるなら別だけれど...)。なによりこうした新しい試みは従業員の志気を上げ、店に活気が戻り、お客さんの居心地を良くしてくれる。つまり「新しい試み」それ自体がサービス向上に役立つ。

 

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しょう